ワイナリー、そしてあなた自身についてお聞かせください。

今の世代でワインメーキング3代目になります。1930年代に、私の祖父ピエトロ・ダル・チェロが開業しました。80年代には、私の父が運営していましたが、大規模なワインの出荷に特化していました。そして私たち姉弟（私とアレッサンドロ）が、共にそれまでの職を離れ家業を継ぐことになったのは、2000年代の初期になります。私たちの原点であり家族の伝統に戻ったのです。

ちょうどその頃、生産スタイルを変え、自分たちのワインブランドを造ることに決めました。2006年産の【フェリナルド・ソアヴェ】が初のボトルになります。現在は、たった4人でワイナリーを回しています。そして家族同然であるブドウの樹には、大きな愛情を持って接しています。アレッサンドロがワインメーキングを取り仕切り、私は主にビジネスの管理を担当しています。

日常のワインの楽しみ方について、お聞かせください。

「Il vino è festa（イル・ヴィーノ・エ・フェスタ）」私にとってワインとは、楽しむもの、家族や仲間との楽しいパーティーです。祖父に合うことを楽しみにしています。祖父とのランチやディナーの時は、いつもテーブルに2リットルのワインボトルがおいてあるんですよ。

ワイナリーの地域と、地理的環境によるワインの特性を教えてください。 

私たちのワイナリーはロンカ地区にあり、ソアヴェ・アペラシオンで最も西にある地域です。ソアヴェDOCの他の地域と比べると、異なった地質学的起源があります。実際、今は死火山ですが、長い歴史を持つ3つの火山に囲まれています。黒色の玄武岩性の土壌は、私たちのワインにキリッとしたミネラル感をもたらしてくれます。

地域の歴史と文化は、どのように生活様式またはワインメーキングに影響を及ぼしていますか？

ワイナリーは、ベネチアの赤ワインの故郷であるヴァルポリチェッラの近くにあります。しかし、この地域でワインというと、白ワインを意味します。あらゆる場面で白ワインを飲み、一般には赤ワインと相性がいいと言われている食事でも、白を合わせます。ワイン生産者の家庭に生まれ、感謝の気持ちを胸に日々作業をしているわけですが、私はなんともラッキーであり、光栄だと感じます。

ワインメーキングにおいて、これまでで一番の思い出はなんですか？

1番の思い出は、子供の時の体験です。収穫の最盛期になると、私は弟とともに両親の作業を手伝っていました。幼かったため、技術を必要とする作業を手伝うことはできなかったのですが、主にブドウ搾りと裏庭にある大きな容器へのポマース（ブドウを搾ったあとに残る皮やその他絞りかす）の作業をよく手伝いました。

ヴェネトのポマースは、グラッパ造りに使用されます。夜の気温が高いため、保管してあるポマースが発酵し、空気中にアルコール分を含む蒸気を発するのです。家で飼っていた犬がその匂いを嗅いで、酔っ払っていました。とにかく楽しく面白い思い出です。

サステイナブルワインメーキングの未来についてお聞かせください。

す。2021年、ヴィンヤードの80％は、残留農薬ゼロで（農薬が収穫物に全く残らない状態）、イタリア機関の承認はまだ取得していませんが、全ては有機農産物です。