ワインに詳しくになろう
ワインの「酸味」は、料理のレモン汁や酢のような爽やかさを生む成分から来ています。辛口ワインに感じる清涼感や切れの良さの正体は、主に酒石酸・リンゴ酸・クエン酸といった有機酸です。酸味は単に「すっぱい」だけでなく、ワインの鮮度を保ち、料理との相性を左右し、長期熟成を支える骨格でもあります。 酸味はなぜワインに必要か 酸味が不足したワインは「フラット(平坦)」「だれた」と表現されます。口に含んだ後に余韻がなく、飲み飽きを感じやすくなります。逆に適切な酸があると、料理の脂をさっぱりと流し、次の一口を誘う「引き」が生まれます。魚介料理に白ワインが合う最大の理由が、この酸の働きです。 酸味を決める主な有機酸 有機酸 特徴 多い品種・産地 酒石酸 シャープでクリーン。ワイン独特の酸 全産地に共通 リンゴ酸 青リンゴのような鋭い酸。冷涼産地に多い シャブリ、北イタリア 乳酸 マロラクティック発酵後に生じる。柔らかくクリーミー...
フェニキア人の船が紀元前9世紀にシチリアの港へ錨を下ろした時、彼らは交易品と共にある植物を運んできた。ヴィティス・ヴィニフェラ、後に世界中で栽培されることになる葡萄の木だ。やがてギリシャ人が南イタリア・シチリア全域に植民地群「マグナ・グラエキア(大ギリシャ)」を築き、この地を「オイノトリア(Oenotria)=ワインの地」と呼んだ。数千年の時を経て、地中海沿岸は今も世界最高峰のワイン産地として輝いている。 地中海ワインとは何か、どの産地がどんな個性を持つのか、そして日本にいながらそのエッセンスを楽しむ方法を、ソムリエとして地中海のワイン産地を長年研究してきた私フェデリーコが解説する。 地中海ワインとは 「地中海ワイン」とは、地中海性気候(夏の乾燥・高温、冬の温暖・適度な降雨)の恩恵を受ける産地で造られるワインの総称だ。イタリア南部・シチリア・サルデーニャ、スペイン東部・南部、ギリシャ全土、クロアチア沿岸、南フランス(プロヴァンス・ラングドック)、ポルトガル、そして北アフリカのモロッコ・チュニジアまで広がる。 この気候帯がブドウ栽培に理想的な理由は三つある。夏の十分な日照がブドウを完熟させること、乾燥が病害を抑えること、そして昼夜の寒暖差が香りと酸味の繊細さを保つことだ。 特に注目したいのがイタリア南部と地中海諸島だ。国全体で約350種の固有品種を誇るイタリアだが、南方に絞るとネロ・ダーヴォラ(シチリア)、プリミティーヴォ(プーリア)、カンノナウ(サルデーニャ)など、他の産地では栽培されない個性的な品種が集中している。 主要産地ガイド 産地 主な白品種 主な赤品種 スタイルの特徴 シチリア(伊) インゾーリア、グリッロ、カタラット ネロ・ダーヴォラ、ネレッロ・マスカレーゼ 火山土壌と海風、古代品種の宝庫。果実味豊かでミネラル感も強い...