「ワインにゼラチンや卵が入っている」と聞いて驚いたことはありませんか? 植物性食品を選ぶ方にとって、ワインは意外な落とし穴です。でも最近は、認証を受けたヴィーガンワインが日本でも手に入るようになりました。製法の違いを知れば、ラベルに頼らなくても選べるようになります。
そもそも、なぜワインに動物性成分が?
ワインの醸造では、「清澄(せいちょう)」という工程があります。発酵後のワインは微細な酵母のかすやタンパク質で濁っているため、これを沈殿・除去する必要があります。そのための「清澄剤(ファイニング剤)」として、伝統的に以下が使われてきました:
- ゼラチン(豚・牛由来):タンニン過多の赤ワインを柔らかくする
- 卵白(アルブミン):クラシックなボルドー系赤に今も使用
- 魚の浮き袋(イシングラス):白ワインに多い
- カゼイン(牛乳タンパク):酸化防止として白ワインに
ヴィーガンワインでは、これら動物性清澄剤の代わりにベントナイト(粘土系鉱物)や活性炭、または清澄剤を一切使わない「無清澄(unfiltered)」で仕上げます。
産地別:ヴィーガン清澄剤の使われ方
| 産地 | 主な手法 | 傾向 |
|---|---|---|
| ヴェネト(北東イタリア) | ベントナイト / 無清澄 | 環境認証との親和性高い |
| シチリア | ベントナイト主流 / 有機醸造も | 白・赤ともに採用増 |
| ボルドー | 卵白が伝統的に根強い | AOCで使用量規定あり |
| カリフォルニア | バイオファイン(植物性)も増加 | 認証需要が高い |
イタリアのヴィーガン認証:VEGANOK と V-Label
ワインのヴィーガン認証で信頼できる代表格は2つです。VEGANOKはイタリア発のヴィーガン認証機関で、生産工程の全ステップを審査します。原料だけでなく、清澄・フィルタリングから瓶詰まで動物性不使用であることを確認します。一方、V-LabelはEuropean Vegetarian Unionが運営するヨーロッパ共通の認証マーク。どちらのマークもボトルに表示されている場合、ヴィーガン対応であると判断できます。
ソムリエとして特筆したいのは、ヴィーガン化が必ずしも「味が落ちる」ことを意味しない点です。ベントナイトは電気的に荷電したイオン交換で清澄するため、ワインのアロマや果実味をほとんど損ないません。むしろ、清澄剤を省いた「素のまま」の自然な風味が楽しめるケースが増えています。
フェデリーコの推薦:今すぐ試せる本格ヴィーガンワイン
ヴィーガンワインを試すなら、ヴェネト州ボスコ・デル・メルロのシラー・セドゥツィオーネがおすすめです。ベントナイトによる清澄で仕上げた本格ヴィーガン対応の赤ワイン。熟したブラックベリーとブラックペッパーのアロマ、まろやかなタンニン、長く続く余韻が特徴です。ガラス栓(スクリューキャップ)での密封で、酸化防止剤の使用も最小限。ヴィーガンでも妥協のない一本です。
飲み方・料理との合わせ方
ヴィーガンワインだからといって、ペアリングの原則は変わりません。シラー系の赤なら黒胡椒のきいた料理や肉厚のキノコ、豆腐ステーキにも好相性です。ヴィーガンの食卓では、レンズ豆のシチューや焼きナス、ラタトゥイユなどと合わせると南フランス〜南イタリアの食卓のような組み合わせになります。適温は16〜18℃、開けてから30分ほどデカンタすると香りが開きます。
よくある質問
Q. オーガニックワインとヴィーガンワインは同じ?
別物です。オーガニック認証は農薬・除草剤などの農法に関するもので、醸造工程の清澄剤には言及しません。ヴィーガンワインは醸造工程に限定した概念です。重なることはありますが、どちらか一方だけのケースも多くあります。
Q. ヴィーガンワインはラベルを見ればわかる?
EUでは2023年から主要アレルゲン(卵・牛乳由来)の表示義動が始まりましたが、すべての動物性成分が対象ではありません。確実に選ぶには、VEGANOKまたはV-Labelのマークを確認するか、生産者のウェブサイトで醸造工程を調べることをお勧めします。
Q. 清澄剤はワインの中に残らない?
清澄剤は添加後に滓(おり)と一緒に取り除かれるため、最終的なワインにはほとんど残りません。ただし微量が残ることはあり得るため、アレルギーをお持ちの方やヴィーガンの方はVEGANOK/V-Label認証品または生産者確認済みの商品を選ぶことを推奨します。

コメント (0)
この記事に対するコメントはありません。真っ先にメッセージを残してください!