プーリア州アッタナシオのワインセラー。プリミティーヴォの産地、マンドゥーリア

和食に合うワインとは?イタリアワインで食卓をもっと楽しむ方法

2026年7月15日フェデリーコ・ファネッリコメント0件

和食にワインは合わない、は誤解です。 醤油、出汁、みりん、酢が織りなす和食の味わいは、旨味が豊富で塩味と酸味のバランスが取れているため、実はワインとの相性がとても良いのです。私はイタリア出身のワインインポーターとして、東京のさまざまな和食の席でイタリアワインを合わせ続けてきました。その経験から、具体的なペアリングの考え方をお伝えします。

よくある誤解:「タンニンが和食に合わない」

「タンニンの強い赤ワインは醤油に合わない」という声をよく聞きます。確かに、タンニンが非常に強いワインを刺身に合わせると、金属的な後味が出ることがあります。ただし、タンニンが「中程度」のワインであれば話は別です。和食に含まれる旨味成分(グルタミン酸、イノシン酸)は、ワインの渋みを和らげる効果があり、意外なほどなめらかなマリアージュを生みます。選ぶポイントは「タンニンの量」より「タンニンの質(なめらかさ)」です。

和食の味わいとワインのペアリング原則

和食の要素 合うワインの特徴
旨味(出汁・醤油) 旨味が豊かな熟成赤、またはミネラル感のある白
塩味(塩・醤油) 酸味がしっかりした白、辛口スパークリング
酸味(酢・柑橘) 同じく酸味を持つ軽めの白または泡
甘味(みりん・砂糖) 果実味豊かな赤(プリミティーヴォ、サンジョヴェーゼ)
苦み(山椒・ゴーヤ) タンニンが軽め、または辛口白ワイン

料理別おすすめペアリング

料理 おすすめワイン 理由
刺身・寿司 辛口スパークリング(プロセッコ) 泡が魚の脂をリセット、酸味が醤油と調和
焼き鳥(タレ) プリミティーヴォ 甘辛いタレに果実味が寄り添う
焼き鳥(塩) 辛口白(グリッロ、インゾーリア) 素材の旨味をクリアに引き立てる
すき焼き・しゃぶしゃぶ プリミティーヴォ、サンジョヴェーゼ 牛肉の脂と甘辛つゆにボディのある赤が映える
天ぷら スパークリング、軽めの白 泡と酸味が揚げ物の油を軽快に洗い流す
鍋料理 やや軽めの赤 出汁の旨味を邪魔しない、すっと合う

日本での楽しみ方:イタリア流「食事とワイン」という考え方

プーリア州を訪れると、街の肉屋(マチェッレリア)が店の奥にグリルを置いて、買ったばかりの肉をその場で焼いて食べさせてくれる「ブラチェリア」という文化があります。ボンベッテ(豚肉の詰め物ロール)をかじりながらプリミティーヴォをグラスで飲む光景は、日本の焼き鳥居酒屋と本質的に同じ体験です。ワインは「特別な席の飲み物」ではなく、「食事と一緒にあるもの」。この感覚を日本の食卓でも取り入れてみてください。

家での実践的なコツとして、赤ワインは少し冷やして15度前後で出すと、渋みが穏やかになり和食に合わせやすくなります。デカンタがなくても、グラスに注いで5分ほど置くだけで香りが開き、味わいがなめらかになります。

フェデリーコのおすすめ

和食ペアリングの入門として私が最もよくお出しするのが、プーリア州マンドゥーリア産のプリミティーヴォです。果実味が豊かで、タンニンはなめらか。焼き鳥のタレ、肉じゃが、すき焼きなど甘辛い和食にすんなり溶け込みます。

刺身や天ぷらには、プロセッコ・ミレジマート・ブリュットを。辛口でキリッとした泡が口中をリフレッシュします。シチリア産のグリッロ・デル・バローネも塩焼きや白身魚料理に最適です。

ワインの選び方・飲み頃温度

和食に合わせるワインを選ぶ際は、「タンニンが少ない」か「果実味と酸味のバランスがよい」という基準で探すと外れにくいです。提供温度の目安は、白・スパークリングは8度前後、ロゼは10度、赤ワインは14〜16度。家では、白・泡は冷蔵庫から出してすぐ、赤は冷蔵庫に20分入れてから出すとちょうどよい温度になります。

似ているペアリング発想: 日本酒を和食に合わせる感覚に近いのがイタリアワイン。地域の食材とその土地のワインが一緒に育ってきたため、「郷土料理には郷土ワイン」の原則が和食との親和性につながっています。

よくある質問

Q. 刺身や寿司に赤ワインはNGですか?
A. 絶対NGではありませんが、タンニンが強い赤は避けたほうが無難です。スパークリングか辛口白が最も失敗しにくい選択肢です。

Q. 醤油とワインはなぜ合うのですか?
A. 醤油に含まれる旨味成分(グルタミン酸、イノシン酸)がワインのタンニンを穏やかにして、全体のバランスを整える効果があります。また醤油の塩味がワインの酸味を引き立て、余韻を長くする効果もあります。

Q. 和食のコースにワインを合わせるとしたら?
A. 前菜・刺身には辛口スパークリングか白、焼き物・煮物には赤ワイン(プリミティーヴォやサンジョヴェーゼ)、デザートには軽めの甘口、という流れがおすすめです。

Q. 和食に合うワインを選ぶとき最も大切なことは?
A. 「強すぎないこと」です。フルーティーで果実味豊かなプリミティーヴォのようなワインから始めるのがおすすめです。

まずは焼き鳥の夜に、プリミティーヴォを一本開けてみてください。きっと新しい食卓の楽しさに気づいていただけます。

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