ハロウィンに合うワインとは、仮装やお菓子の甘さ、パーティー料理のにぎやかさに寄り添う、果実味が明るくて開けやすい一本です。 難しく考える必要はありません。主役はあくまで料理と、その場の楽しさ。ワインは名脇役として、テーブルをぐっと華やかにしてくれます。東京でイタリアワインをお店に卸したり、ご家庭にお届けしたりしている私フェデリーコが、この時期いちばんよくおすすめする組み合わせをご紹介します。
「ハロウィン=重い赤ワイン」ではありません
黒やオレンジの飾りにつられて、こっくり重い赤を選びたくなりますが、実はここがよくある勘違いです。ハロウィンのテーブルには、かぼちゃの甘い料理、チョコやクッキーといったお菓子、唐揚げやピザのような手でつまめる一皿が同時に並びます。渋みの強い重厚な赤は、この甘さや軽やかさと少しぶつかってしまいます。おすすめは、果実味がはっきりしていて渋みは控えめな赤、よく冷えたスパークリング、そしてお菓子に寄り添う軽い甘口。この三つがあれば、ほとんどのシーンをカバーできます。
シーン別・早見表
| シーン | おすすめのタイプ |
|---|---|
| かぼちゃ料理(煮物・グラタン) | ふくよかな白、または軽めの赤 |
| お菓子(チョコ・クッキー) | 軽い甘口、甘口の微発泡 |
| パーティーの一皿(唐揚げ・ピザ) | よく冷えたスパークリング |
| 大人だけの夜に、ゆっくり一杯 | 果実味のある軽やかな赤 |
産地で変わるスタイル、そしてシチリアの「死者の日」
ハロウィンはもともと、ヨーロッパの秋の行事に根を持ちます。おもしろいのは、イタリアにも独自の「死者を思う日」があること。シチリアでは11月2日を「フェスタ・デイ・モルティ(死者の日)」と呼び、亡くなった家族が夜のあいだに子どもたちへ贈り物を届ける、という言い伝えがあります。子どもたちは朝、カニストロと呼ばれる大きな籠を開けて、本物そっくりのマジパン菓子「フルッタ・マルトラーナ」や、骨の形をしたシナモン風味のクッキー「オッサ・デイ・モルティ(死者の骨)」を見つけて喜びます。日本ではほとんど知られていませんが、お菓子と家族の記憶が結びついた、あたたかな習慣です。
そのシチリアが育てるのが、ネロ・ダヴォラという黒ぶどうです。太陽をたっぷり浴びて、赤い果実のジューシーさとやわらかな口当たりが持ち味。渋みがきつくないので、いろいろな料理が並ぶハロウィンのテーブルにすっと寄り添います。
日本のハロウィン料理に合わせる
日本のハロウィンといえば、やはりかぼちゃ。かぼちゃの煮物のように甘辛い味付けには、果実味のある軽い赤を軽く冷やして合わせると、甘みとよく響きます。かぼちゃのグラタンやポタージュのようなクリーミーな料理には、コクのある白がぴったりです。唐揚げやピザ、フライドポテトといった手でつまむ料理には、よく冷えたスパークリングを。泡が油をさっぱり流してくれて、次の一口が進みます。チョコやクッキーには、甘口を少しだけ。甘いものに辛口のワインを合わせると、ワインがすっぱく感じてしまうので、お菓子には甘さのあるワインが安心です。
ご家庭でのちょっとした工夫として、スパークリングと甘口はしっかり冷やし、赤は冷蔵庫で15〜20分だけ軽く冷やすのがおすすめです。少しひんやりさせるだけで、果実味が締まって、驚くほど飲みやすくなります。
フェデリーコのおすすめ
ハロウィンの一本として私がよくお出しするのは、シチリアのバーリオ・ディ・セッラマッロッコです。ネロ・ダヴォラらしい明るい果実味とやさしい飲み口で、料理を選びません。下のカードから、そのままお選びいただけます。
にぎやかな乾杯には、辛口でキレのあるプロセッコ・ミレジマート・ブリュットを。お菓子の時間には、やさしい甘さと微発泡が心地よいドッピオ・パッソ・モスカートがよく合います。もっと果実味のある赤がお好みなら、南イタリアのドッピオ・パッソ・プリミティーヴォもおすすめです。
選び方と飲み頃
迷ったら、その夜いちばん多く並ぶ料理から選ぶのが、失敗しないコツです。甘い料理やお菓子が中心なら甘口と泡、しょっぱい料理や肉が中心なら軽い赤。人が集まる日は、開けやすくて飲み飽きしない一本が、結局いちばん喜ばれます。もっと深掘りしたい方は、かぼちゃに合うワインやピザに合うワイン、秋の夜のお月見ワインもあわせてどうぞ。
よくある質問
Q. ハロウィンには何色のワインを選べばいいですか?
A. 色より「果実味と甘さ」で選ぶのがおすすめです。赤なら渋みの軽いもの、泡と甘口を一本ずつ用意すると、料理もお菓子もカバーできます。
Q. 子どもが一緒の席でも楽しめますか?
A. もちろんです。大人はグラス一杯をゆっくり楽しみつつ、ノンアルコールの炭酸やジュースを並べれば、見た目もにぎやかになります。
Q. よくある失敗は?
A. 甘いお菓子に、辛口の重い赤を合わせてしまうことです。ワインがすっぱく、苦く感じられます。お菓子には甘口を、と覚えておくと安心です。
Q. 一本だけ選ぶなら?
A. よく冷えたスパークリングが万能です。乾杯にも、しょっぱい料理にも合い、場をぱっと明るくしてくれます。
今年のハロウィンは、料理に寄り添う一本を添えて、大人もほっと楽しい夜にしてください。

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