イタリア北東部、スロベニア国境に接するカルソ高原(カルスト台地)。この石灰岩の丘では、今も春になると民家の軒先に「フラスカ(frasca)」と呼ばれる緑の枝が吊るされます。それが見えたら、その家は「オスミッツァ(osmizza)」を開いているサイン。1784年、神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世が農家に年8日間だけワインや食品を無認可で直売できる特権を与えました(スロベニア語で「osem」は「8」を意味する)。その慣習は240年以上経った今も続いており、地元で注文できる赤ワインの筆頭が「テッラーノ」と「レフォスコ」。日本ではほぼ無名ながら、イタリア最古品種のひとつとして欧州の研究者の間でも注目を集めている葡萄です。
この記事でわかること
- レフォスコとはどんなブドウ品種か、その産地と歴史
- 味わいの特徴と代表的なスタイル
- 日本の食卓との合わせ方
- スウィールが取り扱うボスコ・デル・メルロ「レフォスコ・ロッジョ・デイ・ローヴェリ」について
レフォスコとはどんなブドウか
レフォスコ(Refosco)は、イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州を中心に、ヴェネト州東部やカルスト台地(カルソ DOC)にかけて栽培される土着赤ワイン品種です。起源は紀元前にさかのぼるとされ、この地域で最も古い品種のひとつ。「レフォスコ」という名称はいくつかのクローンやサブバラエティの総称で、最も代表的なものが「レフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソ(Refosco dal Peduncolo Rosso)」。収穫時に軸が赤くなる(peduncolo rosso = 赤い軸)のが名前の由来で、畑でひと目で見分けられます。
味わいのプロフィール
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 色 | 深いルビー・紫がかった赤 |
| 香り | ブラックベリー・プラム・バイオレット・黒コショウ・乾燥ハーブ |
| 味わい | 辛口・中〜フルボディ・力強い酸・しっかりしたタンニン |
| タンニン | 中〜高め・ドライでグリップ感がある |
| アルコール | 12.5〜14%程度 |
| 余韻 | 長め・スパイシーでドライな後味 |
産地:フリウリとカルスト台地
レフォスコの主産地はフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州。「フリウリ・グラーヴェ DOC」「コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ DOCG」「カルソ DOC」など複数の原産地呼称でそれぞれ認められています。
特にカルソ DOC は、石灰岩土壌と冷涼なボーラ(bora)と呼ばれる北東からの強風が生み出す独特のミネラル感が際立ちます。ボルドー品種のような国際的な知名度はありませんが、イタリア土着品種ブームの中で近年じわじわと脚光を浴びています。
日本の食卓との相性
レフォスコの力強い酸とタンニンは、脂肪分の多い料理や発酵食品と組み合わせると真価を発揮します。ラムや鴨のロースト、豚の角煮、味噌ベースの肉料理との相性が特に良いです。
和食では、筑前煮・赤身の牛しゃぶ(醤油ベースのたれで)・焼き鳥(皮・つくね)などが好相性。チーズなら熟成系のゴーダや濃いめのブルーチーズにも合います。温度は17〜18℃前後が理想で、デカンタージュ(30分程度)するとタンニンが開きやすくなります。
フェデリーコのおすすめ:ボスコ・デル・メルロ「ロッジョ・デイ・ローヴェリ」
スウィールが取り扱っているのが、ボスコ・デル・メルロ(Bosco del Merlo)の「レフォスコ・ロッジョ・デイ・ローヴェリ(Refosco Roggio dei Roveri)」。ボスコ・デル・メルロはヴェネト州ポルデノーネ近郊に拠点を置く老舗ワイナリーで、フリウリ土着品種に深い造詣を持つ生産者です。
「ロッジョ・デイ・ローヴェリ」は樫の木(rovere)の林を意味する畑名で、このキュヴェはオーク樽熟成によってレフォスコ本来の力強さを丸めた、飲みやすさと品格を両立した1本。ダークフルーツのアロマに樽由来のバニラとスパイスが重なり、後半のドライなタンニンがバランスを引き締めます。イタリア土着品種の入門としても最適な1本です。
選び方ガイド
「レフォスコ」というラベルを見たら、まず産地(DOC名)を確認してください。フリウリ・グラーヴェはよりフルーティで親しみやすく、コッリ・オリエンターリはより複雑で熟成向き、カルソはミネラル感が際立ち個性派。ボスコ・デル・メルロはフリウリのスタイルを踏まえながら、バランスを重視した造りです。初めてのレフォスコには、樽熟成タイプから入るのが飲みやすくておすすめです。
よくある質問
レフォスコはどこの国のワインですか?
イタリア北東部(フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州、ヴェネト州東部)が原産の土着品種です。クロアチアやスロベニアでも栽培されており、アドリア海北端の共通文化圏に属する葡萄です。
重いワインですか?
品種としてはフルボディ寄りですが、ボスコ・デル・メルロの「ロッジョ・デイ・ローヴェリ」は樽熟成のアプローチでタンニンを丸めており、重さよりも複雑さが前に出た飲みやすいスタイルです。食中酒として幅広い料理に対応できます。
保存方法と飲み頃は?
開封後は立てて保存し、2〜3日以内に飲み切るのが理想です。未開封なら冷暗所で5〜8年の熟成ポテンシャルがあります。飲む前に30分ほどデカンタに移すと香りと味わいが開きます。

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