ワインで頭痛が起きる主な原因は、アルコールによる脱水や血管の拡張、赤ワインに多い成分(ヒスタミンなどのアミン類やタンニン、ポリフェノール)、そして飲むペースや空腹です。 よく疑われる「酸化防止剤(亜硫酸塩)」は、実は主犯ではありません。
「頭痛は酸化防止剤のせい」という誤解
ワインで頭が痛くなると、多くの方が「酸化防止剤(亜硫酸塩、ラベルの『亜硫酸塩を含む』の表示)が原因」と考えます。けれど、これは広まりすぎた思い込みです。亜硫酸塩はむしろ白ワインのほうが多く含まれることが一般的なのに、頭痛は赤ワインで起きやすい。亜硫酸塩に敏感な方は人口のごく一部で、その反応も主に喘息など呼吸器のもので、頭痛の主因とする科学的根拠は弱いのです。これは私が日本のお客様とよくお話しする「ワインの誤解」の代表格です。
本当の原因
| 要因 | 何が起きるか |
|---|---|
| アルコール | 利尿作用で脱水を招き、血管を拡張させる。最大の要因 |
| アミン類(ヒスタミン・チラミン) | 赤や熟成したワインに多い。血管や神経に作用する |
| タンニン・ポリフェノール | 渋みのもと。近年はケルセチン(ぶどうの皮由来)が代謝に影響するという仮説も |
| 空腹・速いペース | 吸収が急になり、酔いと頭痛が出やすい |
| 糖分(甘口の飲み過ぎ) | アルコールと重なり負担になることがある |
赤ワインで頭痛が出やすいのは、アミン類やポリフェノールが白より多いためと考えられています。近年はアメリカの研究で、ぶどうの皮に多い「ケルセチン」という成分がアルコールの分解を妨げ、頭痛につながる可能性があるという仮説も提唱されています(まだ研究の途上です)。
イタリアの「食事と一緒に、少しずつ」
イタリアでワインを飲むとき、その多くは食事と一緒で、量もゆっくりです。ピエモンテ州をはじめ各地の食堂(オステリア)では、量り売りのハウスワインを「クアルティーノ(quartino)」と呼ぶ250mlほどの小さなカラフェで出すのが日常の風景。一本をあけるのではなく、小さなカラフェを一食かけて、水と料理と一緒に飲む。この「空腹で一気に飲まない、食事と水を添える」習慣こそ、翌日に残さないいちばんの知恵です。
悪酔いしない飲み方(日本の食卓で)
難しいことはありません。まず、ワインと同じくらいの量の水をそばに置き、交互に飲むこと。脱水をやわらげるだけで、翌朝がずいぶん楽になります。次に、空腹で飲み始めないこと。和食でもチーズでも、何かつまみながらが基本です。そしてゆっくり、適量を。居酒屋のように一気に重ねるより、料理と会話の合間に少しずつ。赤で頭痛が出やすい方は、まずは軽めの若い白から試すのも手です。
フェデリーコのおすすめ
頭痛が気になる日によくお出しするのは、アレッサンドロ・リヴェットのランゲ・アルネイスです。ピエモンテの爽やかな辛口白で、渋みがほとんどなく、きれいな酸と柑橘の香り。しっかり冷やして、食事と水を添えて、ゆっくり一杯。気負わず楽しめる一本です。より軽く飲みたい日は、アルコール度数の低いモスカート・ダスティ(5〜6%ほど)のような甘口の微発泡を少量、というのも賢い選び方です。
「含まれる成分」をもう少し知りたい方は酸化防止剤(亜硫酸塩)のガイドを、度数やカロリーが気になる方はワインの度数とカロリーのガイドもどうぞ。
選び方のヒント
頭痛が出やすいと感じる方は、タンニンの強い重い赤よりも、若くて軽い赤や、きれいな白から。熟成の長いワインよりも、フレッシュなスタイルのほうがアミン類は少なめです。何より、よくできたワインを適量、食事と水と一緒に。産地や造りが気になる方はランゲ・アルネイスのガイドもご覧ください。
よくある質問
Q. 頭痛は酸化防止剤(亜硫酸塩)のせいですよね?
A. 多くの場合は違います。亜硫酸塩はむしろ白に多いのに頭痛は赤で起きやすく、主因とする根拠は弱いのです。アルコールによる脱水や、赤に多いアミン類・ポリフェノールのほうが関係しています。
Q. 赤と白、どちらが頭痛になりにくい?
A. 一般には白のほうが、アミン類やタンニンが少なく軽い傾向です。赤が好きな方は、渋みの軽い若いタイプを選び、水と食事を添えてゆっくりどうぞ。
Q. 翌日に残さないコツは?
A. ワインと同量の水を交互に、空腹で飲まない、ゆっくり適量。この三つだけで翌朝がかなり変わります。
Q. 飲む前後にできることは?
A. 飲む前に軽く食べておくこと、飲んだあとにコップ一杯の水を。シンプルですが効果的です。
お酒との付き合い方には個人差があります。頭痛がひどい、続くといった場合は無理をせず、医師にご相談ください。ワインは、食事とともに、心地よい量で。それがいちばんおいしい飲み方です。

コメント (0)
この記事に対するコメントはありません。真っ先にメッセージを残してください!