マレンマ・トスカーナ、テレンツィの海に近いブドウ畑

生産者を訪ねて、マレンマ・トスカーナ訪問記|サンジョヴェーゼが育つ海辺の丘へ

2026年9月15日フェデリーコ・ファネッリコメント0件

マレンマ・トスカーナとは、トスカーナ州の南に広がる、海に面した比較的新しいワイン産地です。 内陸のキャンティやモンタルチーノに比べて知名度はまだ控えめですが、私が日本の食卓にいちばん薦めたいサンジョヴェーゼが育つ場所です。今日は、その丘を訪ねた時の話をさせてください。

海の風が吹くサンジョヴェーゼの丘

ローマから北へ車を走らせ、内陸の渋滑を抜けると、景色が急にひらけます。ティレニア海の光が届く、なだらかな丘。ここがマレンマです。かつてこの一帯は湿地帯で、人が本格的に住み、ブドウを植えるようになったのは比較的最近のこと。だからこそ、古い格式よりも、のびやかで日常に寄り添うワインが生まれます。

項目 内容
場所 トスカーナ州南部、海沿い
気候 温暖で、海風がよく通る
主なブドウ サンジョヴェーゼ(地元名モレッリーノ)
味わいの傾向 やわらかい渋み、赤い果実、親しみやすい

名前の秘密、モレッリーノと黒い馬

この土地では、サンジョヴェーゼを「モレッリーノ」と呼びます。名前の由来には諸説ありますが、地元で愛されているのは馬にまつわる話です。かつて役人やその家族が夏にスカンサーノの丘へ避暑に来るとき、その馬車を引いていたのが「モレッリ(morelli)」と呼ばれる黒みがかった毛色の馬でした。その馬の色が、このワインの深い色合いを思わせる。だからモレッリーノ、というわけです。日本ではまず知られていない、土地の記憶がそのまま名前になったような話で、私はこの由来がとても気に入っています。

テレンツィの蔵で

丘の上のテレンツィを訪ねると、ステンレスタンクがきれいに並んでいました。伝統的な造りを守りながら、温度を管理して赤い果実の新鮮さを最大限に引き出す。飲ませてもらったモレッリーノは、スミレのような香りと、やわらかいミディアムボディ。気取らず、けれど芯のある味わいで、「30本まとめて買いたくなる」という彼らの言葉が、その場でよくわかりました。

日本での楽しみ方

モレッリーノの魅力は、渋みがおだやかで、和の食卓にもすっと馴染むところです。すき焼きや肉じゃがのような甘辛い味つけ、鶏の照り焼き、きのこのソテーによく合います。夏の名残の暑い日には、15度くらいまで軽く冷やすと、赤い果実の輪郭がいっそう際立ちます。重すぎる赤は苦手、という方にこそ試してほしい一本です。

フェデリーコのおすすめ

この訪問記の主役、テレンツィ モレッリーノ・ディ・スカンサーノは、まさに毎日の楽しみとして飲みたいサンジョヴェーゼです。産地の背景を知ると、一杯の景色が少し変わります。マレンマという土地そのものをもっと知りたい方は、マレンマワインとはもあわせてどうぞ。

よくある質問

Q. モレッリーノとサンジョヴェーゼは違うブドウですか?
A. 同じブドウです。マレンマ地方でのサンジョヴェーゼの地元名が「モレッリーノ」です。

Q. キャンティとはどう違いますか?
A. どちらもサンジョヴェーゼが主体ですが、海に近いマレンマのモレッリーノは、内陸のキャンティよりやわらかく、果実味が親しみやすい傾向です。

Q. 少し冷やしても大丈夫ですか?
A. はい。暑い季節は15〜16度に軽く冷やすと、香りと果実味が引き締まって美味しく楽しめます。

Q. よくある誤解は?
A. 「トスカーナの赤は渋くて重い」というイメージです。マレンマのモレッリーノは、その先入観をやさしく裏切ってくれます。

土地を訪ねると、ワインは物語になります。次の一本を選ぶとき、この海辺の丘を少しだけ思い出してもらえたら嬉しいです。

モレッリーノ・ディ・スカンサーノ

この記事のおすすめワイン

モレッリーノ・ディ・スカンサーノ

Terenzi

¥3,850

詳しく見る
シェア
LINE

関連記事

コメント (0)

この記事に対するコメントはありません。真っ先にメッセージを残してください!

コメントする

ご注意:コメントは承認されないと公開されません