おでんに合うワインは、渋みのおだやかな、酸のある軽やかな赤ワインです。だしの旨みと素材のやさしい甘みには、タンニン(渋み)が軽く、きれいな酸をもつ赤がすっと溶け込みます。大根や卵など淡い種には、よく冷やした白やスパークリングもよく合います。
「おでんにワインは合わない」は思い込み
おでんは和のだし、ワインは洋のもの。合わないと思われがちですが、鍵は「旨み」です。昆布と鰹のだしがもつ旨みは、ワインの旨み成分と自然に響き合います。避けたいのは渋みの強い重い赤だけ。軽やかな赤、または冷やした白を選べば、おでんは驚くほどワインと寄り添います。
合わせる軸を知る
| 項目 | 傾向 |
|---|---|
| ボディ | 軽い〜中程度 |
| 渋み(タンニン) | 軽いものを |
| 酸味 | しっかりあると、だしに寄り添う |
| 飲み頃温度 | 赤は少し冷やして14〜16℃、白は6〜9℃ |
種別、おでんに合わせる一本
| おでんの種 | おすすめの傾向 |
|---|---|
| 大根・卵・はんぺん(淡い種) | よく冷やした辛口の白、または軽い泡 |
| ちくわ・さつま揚げ(練り物) | 酸のある軽やかな赤 |
| 牛すじ・厚揚げ(こってり系) | 果実味のある中程度の赤 |
| からし・味噌だれ | 果実味とほのかな甘みのある赤 |
産地で変わるスタイル、ピエモンテの「囲む鍋」バーニャ・カウダ
バルベーラの故郷、イタリア北西部のピエモンテ州には、冬の名物「バーニャ・カウダ」があります。日本でも知られる料理ですが、本場の作法はまるで違います。アンチョビ、にんにく、オリーブオイルを溶かした熱いソースを、「フォヤット」(fojòt)と呼ばれる素焼きの小さな器に注ぎ、ろうそくの火で温め続けながら食卓の真ん中に置く。人々はその一つの器を囲み、野菜を次々に浸していきます。「一人では食べない料理」と言われるほど、皆で分かち合うことが本質です。温かい器を囲む冬の団らんは、おでんの光景とそっくり。そして地元でこのバーニャ・カウダに合わせるのが、酸のきいたバルベーラなのです。温かい鍋と軽やかな赤、という組み合わせは、ピエモンテでもおでんでも変わりません。
日本での楽しみ方
おでんは熱々、ワインはひんやり。この温度差が心地よさを生みます。赤ワインは飲む15分ほど前に冷蔵庫に入れ、少し冷やして14〜16℃で。だしの繊細な旨みが、軽やかな赤といきいきと響きます。ワインセラーは必要ありません。淡い種には冷やした白、こってりした種には赤、と使い分ければ、一つの鍋で二度楽しめます。
フェデリーコのおすすめ
寒い日のおでんに私がよくお出しするのは、アレッサンドロ・リヴェットのバルベーラ・ダルバです。ピエモンテを代表する、酸のいきいきとした赤。ちくわやさつま揚げの練り物、牛すじの旨みに、渋みで邪魔をせずすっと寄り添います。大根や卵など淡い種には、同じピエモンテのランゲ・アルネイスという白を。味噌だれや牛すじのこってりおでんには、果実味ゆたかなドッピオ・パッソ プリミティーヴォもよく合います。
よくある質問
Q. おでんに赤ワインは重すぎませんか?
A. 渋みの強い赤なら重く感じます。選ぶべきは、タンニンが軽く酸のある赤。少し冷やすと、さらに軽やかにだしと寄り添います。
Q. 白ワインと赤ワイン、どちらがいいですか?
A. 種によります。大根・卵・はんぺんなど淡い種は冷やした白、練り物や牛すじなど旨みの濃い種は軽い赤が好相性です。
Q. からしをつけても大丈夫ですか?
A. 少量なら問題ありません。辛みが立つときは、果実味とほのかな甘みのある赤がやわらげてくれます。
Q. よくある失敗は?
A. 渋い赤を常温で合わせることです。だしの繊細さが渋みに負けてしまいます。軽い赤を少し冷やす、これだけで見違えます。
寒い夜のおでんに、ぜひ軽やかな一杯を。だしのやさしさが、いっそう引き立ちます。

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