ワインには食品のような「賞味期限」の表示はありませんが、おいしく飲める「飲み頃」の目安はあります。 多くのワイン、とくに手頃な普段飲みのワインは、買ってから1〜2年以内、開けたら数日以内が目安です。一部の熟成向きのワインだけが、何年もかけて味わいを深めます。ここでは「未開封」と「開封後」に分けて、飲み頃の考え方を紹介します。
よくある誤解:ワインは古いほど良い?
「ワインは寝かせるほどおいしくなる」というイメージがありますが、これは一部の熟成向きワインだけの話です。世の中に出回るワインの大半は、若いうち(買ってすぐから1、2年)がいちばんおいしく飲めるように造られています。長期熟成に向くのは、渋み(タンニン、引き締まった苦み)や酸がしっかりした一部の赤や、上質な甘口などに限られます。手持ちのワインを「もったいないから」と何年も置いておくと、かえって香りが抜けてしまうこともあります。
未開封ワインの飲み頃の目安
| タイプ | おいしく飲める目安 |
|---|---|
| 手頃な白・ロゼ・スパークリング | 購入から1〜2年以内、早めに |
| 手頃な赤(普段飲み) | 購入から2〜3年以内 |
| 熟成向きの赤・上質な甘口 | 5年以上、ものによっては10年以上 |
迷ったら「早めに飲む」でほとんど失敗はありません。熟成向きかどうかは、価格帯や造り、産地でおおよそ見当がつきます。
正しく保存すれば、飲み頃は長持ちする
未開封のワインの寿命を縮める最大の敵は、高温と急な温度変化、そして光です。理想は13〜15度くらいの、暗くて温度が安定した場所。日本の住まいなら、直射日光の当たらない床下収納や北側の収納が現実的です。ボトルを横に寝かせるとコルクが乾かず、より安心です。詳しくはワインの適切な保存方法やセラーがなくても、日本の住まいでのワイン保存術もどうぞ。
開けたあとはいつまで?
開栓後は空気に触れて酸化(さんか、味や香りが変わっていくこと)が進むため、数日で飲みきるのが基本です。目安は、軽めの白・ロゼで2〜3日、しっかりした赤で3〜5日、スパークリングは翌日まで。栓をして冷蔵庫に立てて保存すると長持ちします。飲みきれないときの活用法は余ったワインの活用法・保存期間で紹介しています。
日本での楽しみ方:プーリアの「飲みきる」ワイン文化
私が輸入する南イタリア・プーリアのプリミティーヴォは、まさに「若いうちに楽しむ」ワインの代表です。歴史をたどると、プーリアのプリミティーヴォはかつて、アルコールと色の濃さを買われ、鉄道でフランスや北イタリアへ運ばれ、味の軽いワインを補強する「ヴィーノ・ダ・ターリオ(ブレンド用のワイン)」として使われていました。1930年代には「熟成には向かない、力強すぎる」とまで言われたほどです。つまりプリミティーヴォは、寝かせるより、豊かな果実味を若いうちに楽しむワイン。難しく考えず、買ったらその季節のうちに、というのがいちばんおいしい飲み方です。
フェデリーコのおすすめ
「まず一本、気軽に開けて飲みきる」入門によくおすすめするのが、このドッピオ・パッソ・プリミティーヴォです。豊かな果実味とやわらかな口当たりで、買ってすぐでもおいしく、肉料理にもよく合います。
逆に「少し寝かせて育てる」楽しみを味わいたいなら、渋みと酸のしっかりしたモレッリーノ・ディ・スカンサーノのような赤が向いています。プリミティーヴォの詳細はプリミティーヴォとはもどうぞ。
飲み頃を逃さないコツ
買ったワインは、ラベルや購入日をメモしておくと安心です。手頃なワインは「思い立ったら早めに」、熟成向きの一本だけを大切に寝かせる、と分けて考えると失敗しません。飲み頃温度も味を大きく左右します。詳しくはワインの飲み頃温度早見表を参考にしてください。
よくある質問
Q. ワインに賞味期限の表示はありますか?
A. ありません。ワインは酒類のため、食品のような賞味期限表示の義務がありません。かわりに「飲み頃」の目安で考えます。
Q. 何年も前のワインはもう飲めませんか?
A. 保存状態が良ければ飲めることも多いですが、手頃なワインは香りが抜けている場合があります。まず色と香りを確かめてみてください。
Q. 開けたワインは何日もちますか?
A. 軽めの白・ロゼで2〜3日、しっかりした赤で3〜5日が目安です。栓をして冷蔵庫に立てて保存すると長持ちします。
Q. よくある失敗は?
A. 手頃なワインを「特別な日まで」と何年も置いてしまうことです。多くは若いうちがおいしいので、気軽に開けるのがいちばんです。
ワインは、身構えずに飲みきるのがいちばんのごちそうです。今夜の一本を、どうぞ気軽に開けてみてください。

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