ブラックフライデーとは、アメリカの感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日に始まる年末商戦のことで、2026年は11月27日(金)にあたります。 日本でもすっかり定着し、ワインをまとめて買い、年末年始の食卓やお歳暮の準備をする人が増えています。
私はミラノ出身で、東京でイタリアの家族経営の造り手のワインを輸入し、レストランやご家庭にお届けしています。この記事では「ブラックフライデーにワインを買うならいつ、何を、どう選ぶか」を、輸入元の目線でまとめました。後半では、スワールのブラックフライデー2026のテーマ「ヘリテージ(受け継がれるもの)」で紹介する、4つの造り手の物語も少しだけ先にお見せします。
ブラックフライデーとは?2026年はいつ?
2026年のブラックフライデーは11月27日(金)、続くサイバーマンデーは11月30日(月)です。アメリカでは感謝祭が11月の第4木曜日と決まっているので、ブラックフライデーの日付は毎年11月23日から29日のあいだで動きます。
「ブラック」の意味
名前の「ブラック」は、お店の帳簿が黒字になるほど買い物客が押し寄せることに由来すると言われています。アメリカでは、ここからクリスマス商戦が本格的に始まります。
日本ではいつから広まった?
日本では、日本トイザらスが2014年にブラックフライデーのセールを始め、2016年にはイオンが全国の店舗で初めて参戦したことで一気に知られるようになりました。いまでは百貨店、ネット通販、そしてワインショップまで、11月下旬から12月はじめにかけてセールを行うのが当たり前になっています。日本の場合、ちょうどお歳暮の準備と忘年会・クリスマス・お正月の家飲みの時期が重なるのが特徴です。
| 日付(2026年) | イベント | ワインの買い方のヒント |
|---|---|---|
| 11月11日(水) | イタリアのサン・マルティーノの日 | イタリアでは新酒を開ける日。秋の赤ワインを試すきっかけに |
| 11月26日(木) | アメリカの感謝祭 | セール前の下調べ。飲みたい銘柄と本数を決めておく |
| 11月27日(金) | ブラックフライデー | 年末年始とギフト用をまとめ買い |
| 11月30日(月) | サイバーマンデー | ネット通販のセールの山場。買い忘れの確認 |
| 12月上旬〜20日ごろ | お歳暮の目安(地域で差あり) | 11月中に買えば、贈る時期に余裕を持って手配できる |
ブラックフライデーにワインを買うのはお得?よくある誤解
ブラックフライデーのワイン購入は、年末に飲む分とギフトの分を一度にそろえられるので、時期としては理にかなっています。ただし、ひとつよくある誤解があります。
誤解:「セールのワイン=在庫処分の古いワイン」
「セールに出るのは売れ残りの古いワインでは?」と心配されるお客様は少なくありません。ところが、ワインの世界ではヴィンテージ(ブドウを収穫した年)が古いことは、劣化を意味しません。熟成に向くワインは、造り手のもとで何年も寝かせてから出荷されることがよくあります。たとえばこの記事で紹介するシチリアのセッラマッロッコは2015年のブドウから造られ、約10年かけて飲み頃を迎えた赤です。
反対に、気をつけたいのは「古さ」ではなく「保管」です。高温の倉庫や、日の当たる店頭に長く置かれたワインは傷みやすくなります。セールで選ぶときは、価格より先に次の点を確かめてください。
| チェックポイント | 確かめること | 理由 |
|---|---|---|
| 誰が輸入しているか | 輸入元・造り手の名前がはっきりしているか | 輸送と保管の責任の所在がわかる |
| ヴィンテージ | 商品ページと届くボトルの年が一致しているか | 熟成型か、若いうちに飲むタイプかの目安になる |
| 産地とブドウ | 地域名・品種が書かれているか | 好みや料理に合わせて選べる |
| ストーリー | どんな家族が、どんな畑で造ったか | ギフトに添える一言になり、記憶に残る一本になる |
スワールのブラックフライデー2026「ヘリテージ」とは?
スワールのブラックフライデー2026は、「ヘリテージ(受け継がれるもの)」がテーマです。値段の話の前に、何世代にもわたってブドウ畑を守ってきた家族の物語を知ってほしい。そう考えて、セールの前から少しずつ物語をお届けしていきます。ブラックフライデーを「安く買う日」から「家族の物語に出会う日」に。それが、今回のヘリテージに込めた私たちの思いです。
いちばん早く参加できるのは、11月20日からの会員先行セールです。メールマガジンに登録しておくと、先行セールのご案内が届きます(登録は無料です)。
ヘリテージで紹介する4つの物語とは?
今回の主役は、スワールが直接輸入している4つの造り手です。どの家族にも、ワインを「受け継ぐもの」として守ってきた物語があります。ここでは、その入り口だけをご紹介します。
1. 疫病の島で人々を守った男爵家:バローネ・ディ・セッラマッロッコ(シチリア)
1624年、ペストに襲われたシチリアで、ひとりの役人が苦しむ人々に住まいと救いの手を差し伸べました。その働きに応えて国王から男爵の位と領地を授かったのが、セッラマッロッコ家の始まりです。それから約400年。いまの当主マルコは、ロンドンでのキャリアを置いて2000年に故郷へ戻り、一族の畑を立て直しました。最初のヴィンテージは、亡き父に捧げられています。
畑の一角には、ボルドーの歴史あるシャトーから譲られたカベルネの古い樹が残っています。そこから生まれるのが、カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランのシチリアの赤「セッラマッロッコ」です。
2. ミラノから海辺のトスカーナへ:テレンツィ(マレンマ)
テレンツィ家は、もともとミラノで化粧品の会社を営んでいました。夏休みを過ごしたトスカーナの海辺、マレンマの土地と人に惹かれ、一家は事業を手放して移り住みます。同じミラノ出身の私には、この決断の大きさがよくわかります。霧の多い大都会から、海と丘のあいだの畑へ。そこで育てたサンジョヴェーゼの単一畑リゼルヴァ「マードレキエーザ」は、イタリアのワインガイド『ガンベロ・ロッソ』で最高評価のトレ・ビッキエーリを何度も受け、テレンツィは同ガイドで期待の新星ワイナリーにも選ばれました。
3. 夕暮れまで続いた収穫の日:ボスコ・デル・メルロ(ヴェネト)
1977年、ヴァレンティーノ・パラディンがヴェネト東部に開いたワイナリーです。一家がいちばん大切にしている記憶は、ヴァレンティーノと過ごした収穫の日。房を摘む合間に笑い合い、日が暮れるとパンとサラミを分け合いながら、彼は夕暮れまで昔話を語ったそうです。その教えは、いま三世代目に受け継がれています。赤い茎を持つ土着品種レフォスコは、そんな土地の歴史を映すブドウです。
4. 誰も信じなかったブドウを信じて:ドッピオ・パッソ(プーリア)
1980年代のはじめ、プリミティーヴォはまだほとんど知られていないブドウでした。その可能性を信じた家族が、ブドウを2度に分けて摘む「ドッピオ・パッソ(二歩)」という古い発想をよみがえらせます。完熟した房と、遅れて摘む房。2つが重なって、まろやかでバランスのよい赤になります。スワールが日本で初めて、独占で輸入している一本です。詳しい物語はドッピオ・パッソとはでどうぞ。
| 造り手 | 地域 | 受け継がれるもの | こんな方に |
|---|---|---|---|
| バローネ・ディ・セッラマッロッコ | シチリア | 1624年に始まる男爵家と、王家のための畑 | 歴史のある一本を贈りたい方 |
| テレンツィ | トスカーナ(マレンマ) | 都会を離れて土地に賭けた家族の決断 | サンジョヴェーゼが好きな方 |
| ボスコ・デル・メルロ | ヴェネト | 三世代に続く収穫の日の記憶と土着品種 | 珍しいブドウを試したい方 |
| ドッピオ・パッソ | プーリア | 忘れられかけたブドウと二度摘みの知恵 | 毎日の赤を探している方 |
ブラックフライデーで買ったワインはどう楽しむ?日本の年末の食卓との合わせ方
ブラックフライデーで買ったワインは、12月の忘年会、クリスマス、そしてお正月まで、日本の年末の食卓で大活躍します。私が東京でよくおすすめしている組み合わせをまとめました。
| 年末の料理 | 合わせるワイン | 合う理由 |
|---|---|---|
| すき焼き | ネロ・ディ・セッラマッロッコ | 黒い果実の厚みが、割り下の甘辛さと牛脂を受け止める |
| ぶりの照り焼き | モレッリーノ・ディ・スカンサーノ | サンジョヴェーゼの酸が、脂ののった魚と甘いタレを引き締める |
| 焼き鳥(タレ)・鴨鍋 | レフォスコ・ロッジョ・デイ・ローヴェリ | ほどよい酸とほのかな苦みが、鶏や鴨のうまみに寄り添う |
| 唐揚げ・ピザ・持ち寄りの忘年会 | ドッピオ・パッソ・プリミティーヴォ | やわらかい果実味で、揚げ物や濃い味の料理と幅広く合う |
| クリスマスのローストビーフ | セッラマッロッコ 2015 | 熟成したカベルネのなめらかな渋みが、赤身肉の香ばしさに合う |
| お正月の生ハム・チーズの盛り合わせ | マードレキエーザ | 熟成したサンジョヴェーゼの奥行きが、塩気とうまみを包む |
年末用に何本買えばいい?本数の目安
まとめ買いで迷うのが本数です。ワイン1本は750mlで、一般的なワイングラスに1杯125mlずつ注ぐと、約6杯になります。大人4人の忘年会なら、1人2杯から3杯として2本から3本が目安。クリスマスとお正月を家族で過ごすなら、乾杯用の1本に、料理に合わせる赤と白を1本ずつ加えて、行事ごとに3本ほど用意しておくと安心です。ギフト用は、贈る相手の人数に1本か2本の予備を足しておくと、急な手土産にも対応できます。
イタリアの11月:サン・マルティーノの日
イタリアには「サン・マルティーノの日には、すべての果汁(モスト)がワインになる」ということわざがあります。11月11日の聖マルティーノの日は、その年の新しいワインを初めて開けて味見する日。聖マルティーノは、寒さに震える貧しい人に自分のマントを半分に切って分け与えた聖人として知られ、イタリアでは今も身近な存在です。シチリアでも、焼き栗や素朴なパンと一緒に新酒を楽しむ習慣が残っています。日本でブラックフライデーを待つ11月は、イタリアでは「今年のワインの出来」を語り合う季節でもあるのです。
セラーがなくても大丈夫:届いてからの保管と温度
冬の日本の住まいは、ワインの保管に向いています。暖房の効いた部屋やキッチンのそばを避け、日の当たらない涼しい場所(北側の部屋のクローゼットなど)に寝かせておけば、年末年始まで十分においしく飲めます。飲む前の温度は、軽めの赤なら14〜16℃、熟成した赤なら16〜18℃が目安。暖房の効いた部屋に置いていた赤は、冷蔵庫に15分ほど入れてから開けると、香りがきれいに立ちます。
お歳暮や年末のギフトにワインを選ぶなら?
お歳暮にワインを贈るなら、ブラックフライデーの時期に選んでおくと、贈る時期に余裕を持って手配できます。お歳暮の時期は地域によって少し違います。
| 地域 | お歳暮を贈る時期の目安 |
|---|---|
| 関東 | 12月上旬〜12月20日ごろ(近年は11月末から贈る方も) |
| 関西・その他の地域 | 12月13日(正月事始め)ごろ〜12月20日ごろ |
| 沖縄 | 12月上旬〜12月25日ごろ |
贈り物には、価格よりも「物語」が効きます。カードに一行、「400年続く男爵家のワインです」「ミラノから海辺へ移り住んだ家族のワインです」と添えるだけで、受け取った方の記憶に残る一本になります。スワールではギフト用のラッピングと、のしのご希望も承っています。贈り方の基本はお歳暮・お年賀にワインをもあわせてどうぞ。
好みから選ぶヘリテージの一本
- ボルドーのような力強い赤が好き → セッラマッロッコ 2015
- キャンティのようなサンジョヴェーゼが好き → モレッリーノ・ディ・スカンサーノ、贈り物ならマードレキエーザ
- 果実味たっぷりのやわらかい赤が好き → ドッピオ・パッソ・プリミティーヴォ
- まだ飲んだことのないブドウに出会いたい → ピニャテッロ、レフォスコ
- すき焼きや焼肉に合う赤を探している → ネロ・ディ・セッラマッロッコ
ブドウ品種から選びたい方は、プリミティーヴォとはやマレンマワインとはも参考にしてください。
よくある質問
Q. ヘリテージの割引内容はいつわかりますか?
A. 11月20日(金)の会員先行セールの開始時に、まずメール会員の皆さまにお知らせします。メールマガジンは無料で、登録後すぐにご案内の対象になります。
Q. ヴィンテージが古いワインに沈んでいるものは、傷んでいる証拠ですか?
A. いいえ、多くは「澱(おり)」と呼ばれる自然な成分です。熟成した赤ワインは、開ける1〜2日前からボトルを立てておくと澱が底に沈み、最後の一杯まで澄んだ状態で注げます。
Q. まとめ買いしたワインは、どれくらい保管できますか?
A. 涼しく暗い場所なら、年末年始までは問題なく保管できます。毎日飲むタイプの赤は購入から1年ほどを目安に、熟成型の赤はさらに長く楽しめますが、保管温度は15℃前後で、温度の上下が少ない場所が理想です。
Q. お歳暮の時期を過ぎてしまったら、ワインは何として贈ればいいですか?
A. 年が明けてからなら「御年賀」として贈れます。関東では1月7日、関西では1月15日ごろまで(松の内)が目安で、それ以降は立春までに「寒中御見舞」とするのが一般的です。
Q. 誰でも購入できますか?
A. お酒のため、20歳以上の方に限り販売しています。20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。
値段だけで選ぶ年末のワインもいいですが、物語のある一本は、開けたときの会話が変わります。11月10日から、4つの家族の物語を順番にお届けしますので、楽しみにお待ちください。
参考:日本トイザらス、イオンのブラックフライデー開始に関する報道(2016年)、ガンベロ・ロッソ『Vini d'Italia』、各造り手の資料・インタビュー、お歳暮の時期に関する百貨店・通販各社の案内。お酒は20歳になってから。妊娠中・授乳期の飲酒はお控えください。








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