ボルドー、リオハ、ドイツ、そしてキャンティ・クラシコ。世界を代表するワイン産地が、いま相次いで「格付け(ワインを分類し、序列づける仕組み)」を見直しています。米Wine Enthusiast誌(6月22日)の報道によれば、その背景にあるのは、ワインに馴染みの薄い若い世代をどう取り込むか、という共通の課題です。
たとえばボルドーは、かつての軽やかな赤「クラレット」と呼ばれるスタイルを見直し、力強さよりも飲みやすさを前面に出そうとしています。キャンティ・クラシコは、村ごとの個性を示す「UGA(追加地理的単位、いわば村名表示)」を導入し、産地の奥行きをより細やかに伝えようとしています。共通しているのは、敷居の高さを下げ、伝統を「親しみやすいもの」として届け直そうという姿勢です。
では、こうした制度の見直しは、日本でワインを選ぶ人にとって本当に助けになるのでしょうか。Swirlの視点を添えてみます。
SWIRLの視点
各産地の協会や当局が、それぞれに異なるアプローチを取っているのは、とても興味深いところです。
まずキャンティ。最上位の格付けである「グラン・セレツィオーネ」は、洗練された赤ワインとサンジョヴェーゼを愛する人を、間違いなく満足させてくれる素晴らしいワインです。私の見方では、これは流行を追うための動きではありません。むしろ、キャンティという産地の基準と品質を、さらに一段引き上げるための一手です。世の中の「軽く、飲みやすく」という流れには、あえて逆らっている。それでも、ブランドとしての価値を守り、磨いていくためには、おそらく必要なことなのだと思います。
一方のボルドー「クラレット」復活は、これはこれで魅力的で、面白い動きです。価格の下落圧力を、ボルドーの造り手たちは確かに感じているはずです。ボルドーは力強く骨太な赤で知られてきましたが、近年の消費でいちばん苦戦しているのが、まさにそのスタイルなのです。低アルコールで果実味ゆたかな、軽やかな赤。実はSwirlのポートフォリオにも、こうしたタイプの赤ワインはすでにあります。世界の銘醸地がこれから向かおうとしている方向と、私たちが選んで届けてきたワインは、そう遠くないところにあると感じています。
そして、ここからが本題かもしれません。新しい格付けの「層」がひとつ増えることと、目の前の一本が自分の好みに合うかどうかを知ることは、別の話です。Swirlがすべてのワインに「辛口/甘口」をはじめとするやさしい言葉の説明を添えているのは、まさにそのためです。格付けは産地の物語を豊かにしてくれます。けれど、最後の一杯を選ぶ決め手は、もっとシンプルでいい。私たちはそう考えています。
キャンティの「基準を上げる」という気概を体現する一本が、トスカーナの古城カステッロ・デル・トレッビオの「キャンティ・ルフィナ・リゼルヴァ」です。じっくり熟成させたサンジョヴェーゼの、樽香と果実、骨格のバランスをぜひ。日常の食卓には、同じ造り手の「デ・パッツィ」を。トスカーナらしいサンジョヴェーゼの伸びやかさを、肩肘張らずに楽しめます。
ご紹介したワイン
いずれもSwirlオンラインショップでお求めいただけます。出典:Wine Enthusiast「Why the World's Most Iconic Wine Regions Are Revamping Their Classifications」(2026年6月22日)


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