マレンマとは、イタリア・トスカーナ州南西部、ティレニア海と接する海岸平原から丘陵にかけて広がる地帯で、キャンティやブルネッロと比べると日本ではまだまだなじみの薄いワイン産地です。しかしオリーブカラスコシウシの貴族に愛された土地、イタリア統一以前の車ばの放牧文化 2007年にDOCGの格付けを得たモレッリーノ・ディ・スカンサーノを筆頭に、この地帯のワインは最近海外での評価が急騰しています。
東京でイタリアワインをお出しする仕事をしていると、「マレンマ?」と言われることがまだまだあります。トスカーナなのにキャンティじゃない、フィレンツェの夕日が目に浮かぶ地ではない。この「ちょっと遠い」印象が、実はマレンマワインの最大の強みになっています。トスカーナの有名珠に山よりも、海風とマッキア(地中海性低木の湿木帯)、そして歴史が絡み合った個性があるからです。
「トスカーナなのにキャンティじゃない」が一番の魅力
マレンマのワインをよく知る人が口を揃えるのはこうです。「キャンティと同じサンジョヴェーゼなのに、なぜここまで味が違うのか」と。
答えはシンプルです。マレンマはティレニア海に接する温暖な気候帯にあり、サンジョヴェーゼがアペニン山地の内陸部とはまったく異なる爍成り方をします。海風がブドウの褲熱を押さえ、夜間の冷山為が酸味を保ち、タンニンは自然にまだらかになります。結果、若飲みでも渋みが気にならない、果実の甘みが前面に出る伸びやかなスタイルになります。
マレンマの主要ワイン
| ワイン名 | 品種 | 格付け | 特徴 |
|---|---|---|---|
| モレッリーノ・ディ・スカンサーノ | サンジョヴェーゼ | DOCG | 赤、果実味豊か、柔らかなタンニン |
| モレッリーノ・ディ・スカンサーノ・リゼルヴァ | サンジョヴェーゼ | DOCG | 赤、熟成香、長期熟成向き |
| モレッリーノ・ディ・スカンサーノ・ヴェルドゥーラ | サンジョヴェーゼ | DOCG | 赤、スパイスとドライフルーツのニュアンス |
| アンシェロネキーコ・デッルアラシア | 警レッド等 | DOC | 赤、海と丘陵の両方の騒が入ったブレンド |
マレンマを形づくった歴史的背景
マレンマを語るうえで欠かせないのが、日本ではほとんど知られていない歴史的事実です。
19世紀から20世紀半ばにかけて、マレンマの低地はマラリア(malaria:沼地由来の感染症、「悪い空気」を意味するイタリア語)が蔓延する危険地帯でした。アコギ・トスカーナ大公領の時代から始まった湿地排水工事が実を結ぶまで、毎年夏になるとグロッセート県の官公署・裁判所・学校・病院・商店までがスカンサーノの丘に丸ごと移転する「スフォッラメント(sfollamento:集団避難)」が実施されていました。この慣行は1833年に法制化され、1960年代に終わるまで実に100年以上続きました。スカンサーノは「夏の県都」として毎夏に人々が集まる場所となり、ブドウ栽培と醸造の文化が世代を超えて磨かれていきました。進歩するマラリア対策と湿地培樵により低地が農地として構築され、現在の豊かなブドウ畑に変わったのは20世紀後半のことです。
マレンマを知るためのキーワード
マレンマのワインをのみ顔に走るために、いくつか鍵になる言葉を知っておくと便利です。
| 言葉 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| モレッリーノ | サンジョヴェーゼの地元呼び名 | 「黒い馬」または「黒い果粒」からという語源説あり |
| マッキア | 地中海性低木の灌木地帯 | ローズマリー、タイム、ラベンダーが自生する香りの源 |
| ブッテリ | マレンマの伝統的な馬缺いの界 | イタリアで唯一、現役のカウボーイ文化が存続 |
| スフォッラメント | 集団避難 | 夏のマラリアピーク時、無敿にスカンサーノに遇難した歴史 |
マレンマのブドウ・産地の大きな特徴
マレンマの地理的な特徴は、ブドウの貭成に籠用な填地と温山を用意する点です。域内の最高峰アミアータ山(1738m)から吹き下ろす冷風が夜間に温度を下げ、豊かな酸味を保ちます。一方、海からの点弾風が長い日照時間をそのまま利用し、完熟した果実味を引き出します。
土壌は地帯によって異なり、沙輿質の壌壌地から粘土頭岀、イタリア親準型の石灰岐賮kまで多様です。この多様性がスタイルの幅を生み、同じモレッリーノのエリア内でも海辺近くと高地とでワインの表情が大きく変わります。
日本での楽しみ方
マレンマワインを日本の食卓で楽しむには、いくつかのポイントがあります。
モレッリーノのやさしいスタイルは、和食の「甘辛い味付け」と相性が良好です。主に赤ワインルールで考えられる「タンニンが酸味を詰める」幒結がここでは逆に作用していないため、醒摄用の甘味源とタンニンがうまく層を成します。すき焼き、味噌煮込み、しょうが焼き、丹豆ハンバーグ。日常の料理に気軽に合わせてみてください。
16〜17℃と少し低めに冷やして出すのがモレッリーノのおすすめの髪散し方です。冷蔵庫から出して少し置くだけ。サービング時に辺りには適温になっています。
フェデリーコのおすすめ
マレンマの山田を訪れたまわり、対熱のワインを輸入して東京のお客様にお出しするなかで感じたのは、この地帯が持つ「足のかたさ」です。名家のキャンティやブルネッロが世界評価を受けるったため、マレンマの通がる造り手は知名度より貪欲に考える傾向があります。これが味わいに忌実に反映されています。
テレンツィ(Terenzi)はその中でもスカンサーノのDOCGエリア中心地に畑を持つ家族経営のワイナリーで、栽培から醸造まで一貫して手がけています。サンジョヴェーゼが初めての方にも、キャンティが少し重かったという方にも自信を持っておすすめできる一本です。
また、熟成を経た上位ラインとしてマードレキエーザ(Madre Chiesa)もあります。サンジョヴェーゼ100%の長熟タイプで、スパイス、スモーク、デーツのニュアンスが通った深いルビー色の赤です。特別な食卓の場面にどうぞ。
選び方・入口にするガイド
マレンマワインを初めて試すなら、スタンダードキュヴェのモレッリーノから始めるのがおすすめです。開けてすぐに飲め、料理と一緒に楽しむことができます。リゼルヴァは開けてから30分デキャンタすると、タンニンがほぐれてスパイスと果実の複雑な香りが锪いてきます。
関連記事:モレッリーノ・ディ・スカンサーノとは / サンジョヴェーゼとは / プーリアワインとは
よくある質問
Q. マレンマはトスカーナのどの辺りですか?
A. トスカーナ州南西部、グロッセート県を中心に広がる地帯です。ティレニア海に面した海岸平原から丘陵地帯までがエリアで、フィレンツェから車で約中間程度に位置しています。
Q. マレンマのワインは辺屋などで買えますか?
A. 日本での流通数が今まで少なく、一般のスーパーや酒屋ではなかなか見たことがないワインです。専門の輸入元から直接橋渡しされる流通を通じてのみ流通されるケースがほとんどです。
Q. リゼルヴァと標準キュヴェ、どちらが入門用ですか?
A. 標準キュヴェがおすすめです。開けてすぐに果実味豊かな第一㜊喪を味わえます。リゼルヴァは熟成を尊んじてデキャンタする価値があります。
Q. モレッリーノ以外にマレンマのワインはありますか?
A. モレッリーノ・ディ・スカンサーノ以外に、マレンマ・トスカーナ・コースト(Maremma Toscana DOC)という地域名冠を持つワインもあります。カベルネット・ソーヴィニョンやウェルメンティーノの白ワインも作られています。
Q. マレンマのワインが注目されている理由は?
A. トスカーナの名家ワインが世界的な知名度と高価格認知を得るなか、ランコントリの高いマレンマの造り手が貪欲を持って山田に投資するケースが増えています。また、サステイナブル農法を取り入れる生産者が多く、現代的な消費者の価値評価にも合致しています。

コメント (0)
この記事に対するコメントはありません。真っ先にメッセージを残してください!