ソーヴィニヨン・ブランとは、フレッシュな酸味と、ハーブや柑橘の鮮やかな香りが特徴の白ワイン用ブドウ品種です。ブドウ自体が強い香りを持つ「アロマティック品種」の代表格で、グレープフルーツやライム、青草、ハーブのような香りがグラスから立ちのぼります。きれいな酸とシャープな飲み口で、白ワインの入り口としてもおすすめです。
味わいの特徴:アロマティックでシャープ
軽やかでドライ、生き生きとした高い酸味が身上です。香りが分かりやすく華やかなので、ワインを飲み始めた方にも違いが感じ取りやすい品種。よく冷やすと、その爽やかさがいっそう際立ちます。
| 項目 | 傾向 |
|---|---|
| ボディ | 軽め |
| 酸味 | 高め |
| 香り | 柑橘、ハーブ、青草、(産地により)トロピカル |
| 味わい | 辛口 |
私とソーヴィニヨン・ブラン
じつはソーヴィニヨン・ブランは、私がワインを飲み始めたころの「いつもの一本」でした。最初にこの品種に出会ったのは、2015年のミラノ万博。フリウリのソムリエ協会のソムリエたちと一緒に働いた時期です。彼らは本当に勤勉で、テロワール(土地の個性)や造り手のことをたくさん教えてくれました。そこで初めて飲んだソーヴィニヨン・ブランに、私はすぐに心を奴われました。アロマティックで分かりやすく、それでいて奥がある。初心者にもやさしいのに、知れば知るほど面白い。そんな品種です。
産地で変わるスタイル
同じソーヴィニヨン・ブランでも、産地で表情が大きく変わります。
| 産地 | スタイル |
|---|---|
| フランス・ロワール(サンセール等) | ミネラル感と火打石のニュアンス、引き締まった辛口 |
| ニュージーランド(マールボロ) | パッションフルーツのような華やかでパワフルな香り |
| イタリア北東部(フリウリ〜東ヴェネト) | ミネラル感と塩気を感じる、食事に寄り添う辛口 |
私自身は、はじめはロワールのソーヴィニヨンが好きでした。けれど次第にニュージーランドのソーヴィニヨンに惹かれていき、いまでは大のお気に入り。香りがより力強く、鼻に抜ける印象が忘れられないのです。
サンセールの楽しみ方:ぶどう畑のとなりにヤギがいる
ロワールのサンセールには、地元の人なら誰もが知っている「黄金の組み合わせ」があります。サンセールの白(ソーヴィニヨン・ブラン)と、クロタン・ド・シャヴィニョルという小さなヤギのチーズです。シャヴィニョルはサンセールのぶどう畑のただ中にある集落で、ソーヴィニヨンの畑とヤギの牧草地がとなり合わせに広がっています。同じ土地で育ったワインとチーズが、合わないわけがありません。このチーズは1976年にAOC(原産地呼称、産地と品質を国が保証する制度)、1996年にはEUのPDO(保護原産地呼称)にも認められた由緒ある一品です。
おもしろいのが「クロタン」という名前の由来です。地元ベリー地方の言葉で「クロ(crot)」は川辺の窪地を指し、そこで採れる粘土で、はじめは小さな素焼きのランプを、のちにチーズの水切り型を作りました。その型の形がそのまま名前になったのです(今の言葉から連想しそうな意味とは関係ありません)。私がワインを学んだフリウリのソムリエたちも、「ワインと料理は、同じ景色の中で出会わせるのがいちばん」とよく言っていました。サンセールの白を開けるときは、ぜひ少し熟成した山羊のチーズを添えてみてください。シャープな酸がチーズのコクをすっと洗い流し、また次の一口へと進みます。
イタリアの実力派:トゥラニオ
SWIRLがお届けするのは、東ヴェネト(フリウリにほど近い銘醸地)のボスコ・デル・メルロが手がけるソーヴィニヨン・ブラン・トゥラニオ。この地域ならではのミネラル感をみごとに表現した一本で、唇や舌先にわずかな塩気と旨みを感じます。アロマティックでありながら、すっと食事に寄り添う上品さも魅力です。
ソーヴィニヨン・ブランに合う料理は?
鮮度の高い魚介や貝類、サラダ、山羊のチーズ(シェーヴル)との相性は抜群。和食なら、お刺身、天ぷら(レモンや塩で)、白身魚のカルパッチョ、香り野菜を使った料理とよく合います。ハーブや柑橘を使った料理に寄り添うのが得意です。
選び方・飲み頃温度
はじめてなら、香りの分かりやすいニュージーランド産か、食事に合わせやすいイタリア産がおすすめ。しっかり冷やして7〜10度で楽しむと、酸味と香りのバランスが際立ちます。
よくある質問
Q. ソーヴィニヨン・ブランは甘口ですか?
A. ほとんどが辛口です。香りが華やかなため甘く感じることもありますが、味わいはシャープな辛口です。
Q. 初心者でも飲みやすいですか?
A. はい。香りが分かりやすいアロマティック品種なので、白ワインの違いを感じる入り口にぴったりです。
Q. ロワールとニュージーランドはどう違う?
A. ロワールはミネラル感と引き締まった酸、ニュージーランドはより華やかでパワフルな香りが特徴です。
Q. シャルドネとの違いは?
A. シャルドネが丸みとコクを持つのに対し、ソーヴィニヨン・ブランは軽やかで酸味が高く、ハーブや柑橘の香りがシャープです。
Q. 何に合いますか?
A. 魚介、サラダ、山羊チーズ、お刺身や天ぷらなど。ハーブや柑橘の効いた料理と好相性です。
よく冷やして、まずはその香りから。アロマティックなソーヴィニヨン・ブランは、白ワインのいちばん楽しい入り口です。


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