ワインのアルコール度数の目安を低いものから高いものへ並べたスペクトラム

ワインのアルコール度数とは?種類別の一覧と低アルコールワインの選び方

2026年11月2日更新日: 2026.11.02フェデリーコ・ファネッリコメント0件

ワインのアルコール度数とは、ワインに含まれるエタノール(アルコール)の体積パーセント(ラベルでは「alc. 12%」「12% vol」などと書かれる割合)のことで、イタリアワインの多くは11〜14%におさまります。「ワインって強いお酒なの?」とよく聞かれますが、実際はビールより少し高く、日本酒より低いあたりが中心です。ミラノ出身で、東京でイタリアワインを輸入している私フェデリーコが、種類ごとの度数の目安、ほかのお酒との比べ方、ラベルの見方、そして「軽めの一本」の見つけ方まで、むずかしい言葉はかみくだいてご案内します。度数がわかると、その日の気分や料理、飲む時間に合わせて一本を選べるようになり、ワインがぐっと身近になります。

ワインのアルコール度数は何%?種類別の早見表

ワインの度数は、軽い甘口の5%台から、しっかりした赤の15%前後まで幅があります。ざっくり言えば「泡と甘口は低め、濃い赤は高め」。下の帯は、左にいくほど軽く、右にいくほど強いという目安です。Swirlで実際に飲める一本と並べました。

5%Moscato
11%Prosecco
12.5%Bianco
14%Primitivo
16%Amarone
軽い・低アルコール重い・高アルコール
タイプ 度数の目安 Swirlで飲める一本 税込価格
甘口の微発泡(モスカート・ダスティ) 約5〜6% アレッサンドロ・リヴェット / モスカート・ダスティ ¥3,900
甘口フリッツァンテ(プーリアのモスカート) 約7〜8% ドッピオ・パッソ / モスカート ¥2,200
スパークリング(プロセッコ) 約11% ボスコ・デル・メルロ / プロセッコ・ミレジマート・ブリュット ¥3,300
軽めの白(ピノ・グリージョ、ソアヴェ) 約11.5〜13% テヌータ・グリマーニ / ピノ・グリージョ ¥3,700
中くらいの赤(サンジョヴェーゼ) 約13〜14% テレンツィ / モレッリーノ・ディ・スカンサーノ ¥3,850
しっかりした赤(プリミティーヴォ) 約13.5〜14.5% ドッピオ・パッソ / プリミティーヴォ ¥2,200
長期熟成の重厚な赤(例:アマローネ) 約15〜16% (Swirlでは扱いなし。右端の目安として) -

同じタイプでも造り手や年によって上下します。正確な数字は必ずボトルの「alc.」表記をご確認ください。

ワインはビールや日本酒より強い?お酒の度数くらべ

答えを先に言うと、ふつうのワイン(11〜14%)はビール(約5%)より高く、日本酒(約15〜16%)より少し低い位置にあります。つまり「ものすごく強いお酒」ではありません。身近なお酒と並べると、ワインの立ち位置が見えてきます。

お酒 度数の目安
ビール 約5%
酎ハイ・ハードセルツァー 約3〜9%
モスカート・ダスティ(甘口微発泡) 約5〜6%
一般的なワイン 約11〜14%
日本酒 約15〜16%
焼酎 約25%
ウイスキー 約40%

日本酒とワインが近い度数だというのは、意外に思われるかもしれません。ワインは料理と一緒に、時間をかけて少しずつ飲むお酒なので、度数の数字よりもゆっくり楽しめます。強いお酒が得意でない方は、度数の低い泡や白から始めて、あいだに水(イタリアでも食卓には必ず水を置きます)をはさむと、最後までおいしく飲めます。居酒屋でビールやハイボールを飲む感覚のまま、少し度数の高いワインに切り替えると、思ったより早く酔いが回ることがあるので、ペースだけ意識してみてください。

ラベルのどこに度数が書いてある?国と産地で変わる傾向

アルコール度数は、ほぼすべてのワインのラベルに「alc. 13% vol」「13.0%」などと表示されています。日本で売られる輸入ワインには、裏ラベルに「アルコール分 13%」と日本語でも書かれているので、気になる方はまずそこを見てください。

国や産地には、はっきりした傾向があります。ヨーロッパの伝統的な産地(旧世界)、とくにイタリア北部やフランスの涼しい地域は、11〜13%と控えめな度数が中心です。一方、日差しの強い南イタリアやカリフォルニア、オーストラリアといった温暖な産地(新世界を含む)は、ブドウがよく熟すぶん14〜15%と高めに出やすくなります。「同じ品種なのにこちらの方が重い」と感じたら、産地の気候の違いが効いていることが多いのです。もし軽やかな一本を選びたいなら、ラベルで13%以下の数字を目印にすると失敗が少なく、しっかりした飲みごたえがほしい日は14%前後を選ぶ、というふうに度数を買い物の物差しにできます。プロセッコのような北イタリアの泡が軽く、プリミティーヴォのような南の赤がしっかりしているのは、その好例です。

スパークリングワインの度数は低い?プロセッコとモスカート

スパークリングは意外と控えめで、プロセッコで約11%、モスカート・ダスティにいたっては約5.5%とビール並みです。泡だからといって強いわけではなく、むしろ食前やお昼に向く軽さが魅力です。

なぜ低いかというと、造り方に理由があります。プロセッコやモスカート・ダスティは、タンクの中で二次発酵させる「メトド・マルティノッティ(シャルマ方式)」でつくられます。モスカート・ダスティの場合は、発酵の途中でタンクを冷やして酵母の働きを止め、糖の一部をわざと残します。糖がアルコールに変わりきる前に止めるので、甘さが残り、度数は低く、やさしい泡になるのです。乾杯の一杯や、昼下がりに軽く一杯というときに、私がよくお出しする理由がここにあります。もっと知りたい方は、甘口・微発泡ワインの選び方もあわせてどうぞ。

プロセッコ・ミレジマート・ブリュット 2024

約11%。辛口の泡で乾杯や食前に。

プロセッコ・ミレジマート・ブリュット 2024

Bosco del Merlo

¥3,300
モスカート・ダスティ 2024

約5.5%。甘くやさしい、いちばん軽い一本。

モスカート・ダスティ 2024

Alessandro Rivetto

¥3,900

なぜ度数が高いワインと低いワインがあるの?糖と発酵のしくみ

度数を決めるのは「ブドウの糖分」です。発酵中、酵母がブドウの糖を食べてアルコールに変えるので、よく熟した甘いブドウほど、できあがるワインの度数は高くなります。ここに産地の気候が効いてきます。

暑くて日差しの強い南イタリア、たとえばプーリアのプリミティーヴォはブドウがしっかり熟し、糖がたっぷりのって約14%前後になります。逆に、涼しい北の産地や早めに収穫するブドウは糖が控えめで、度数も低めに仕上がります。涼しい土地では、発酵の前に少し糖を足して度数を補う「補糖(ほとう)」という昔ながらの手法が認められている産地もあります。「南は濃くて強い、北や泡は軽い」というイメージは、こうした糖の量と造りの違いから生まれています。

もうひとつ、度数を押し上げる技があります。ヴェネト州ヴァルポリチェッラのアマローネは、収穫したブドウを約3〜4か月ものあいだ陰干し(アパッシメントと呼びます)して水分を抜き、糖をぎゅっと凝縮させてから発酵させます。だから度数は15〜16%にもなります。地元ヴァルポリチェッラでは、アマローネは料理に合わせるより「ヴィーノ・ダ・メディタツィオーネ(瞑想のワイン)」と呼ばれ、食後に一杯だけ、暖炉のそばでゆっくり味わう習慣があります。日本ではあまり知られていませんが、強いワインは量より「ひとときを過ごす相棒」という発想です。

同じ「甘くて高い」組み合わせは南にもあります。プーリアのマンドゥリアには「プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア・ドルチェ・ナトゥラーレ」という甘口のDOCGがあり、ブドウを樹上で干すように完熟させて、甘さと高い度数をあわせ持つ、土地の祝いの一本に仕立てます。産地の習慣を知ると、度数の数字の裏にある物語が見えてきます。

ドッピオ・パッソ・プリミティーヴォ 2024

約14%。暑いプーリアの太陽が生む、まろやかな濃さ。

ドッピオ・パッソ・プリミティーヴォ 2024

Doppio Passo

¥2,200
マードレキエーザ 2020

約14%。トスカーナの熟成サンジョヴェーゼ、夜にゆっくりと。

マードレキエーザ 2020

Terenzi

¥8,800

ワインの度数は昔より上がっている?

はい、ここ数十年で世界的にワインの度数は少しずつ上がってきました。温暖化でブドウがよく熟すようになったことと、しっかりした果実味を好む流行が重なり、かつて12%前後が多かった赤が、いまでは14%前後もめずらしくありません。「最近のワインは強く感じる」と思ったなら、それは気のせいではないのです。とはいえイタリアには、軽やかさを守る産地や造り手も多く残っています。軽めが好きな方は、北イタリアの白や泡、そして早飲みの赤を選ぶと、昔ながらのやさしい度数に出会えます。産地と造り手を少し意識するだけで、好みの度数帯の一本に近づけます。

「甘いワイン=度数が高い」は本当?よくある誤解

いいえ、これは逆のことが多い、代表的な勘違いです。甘さと強さは別物で、甘口のモスカート・ダスティは約5.5%と、辛口の赤(約14%)よりずっと軽いお酒です。

理由はシンプルです。甘口ワインの多くは、発酵を途中で止めて糖を残すので、そのぶんアルコールは低くとどまります。逆に辛口は糖をほぼ使い切ってアルコールに変えるため、度数が上がりやすいのです。「甘い=アルコールが強い」ではなく、「甘い=糖を残してある(度数はむしろ低いことが多い)」と覚えてください。例外は、さきほどのアマローネや、ブドウを干して造る貴腐ワイン・パッシートで、これらは甘くても度数が高い特別なタイプです。甘口が好きで、でも軽く楽しみたい方には、モスカート系が本当にぴったりです。

低アルコールのワインはどう選ぶ?シーンで選ぶ早見リスト

度数は「シーンに合わせる物差し」として使うと便利です。迷ったら、次のように選んでみてください。

  • 昼や乾杯に、軽やかに飲みたいなら → 約5〜11%のモスカート・ダスティ、プロセッコ
  • 食事に合わせて普段づかいしたいなら → 約12〜13%のピノ・グリージョ、ソアヴェ、モレッリーノ
  • 夜に一杯だけ、ゆっくり味わいたいなら → 約14%のプリミティーヴォ、マードレキエーザ
  • 強いお酒が得意でないなら → まず泡や甘口の軽いものから

日本の住まいでの工夫も少しだけ。度数が高めの赤は、冷やしすぎない範囲で少し低めの温度(16〜18度くらい)にすると、アルコールの刺激がやわらいで飲みやすくなります。グラスに注ぐ量を控えめにして、あいだに水をはさむのも、イタリアの食卓では当たり前の飲み方です。家飲みでは、小ぶりのグラスにして一杯の量を減らすだけでも、翌日のことを気にせずゆっくり楽しめます。度数の数字そのものより、「どれだけの量を、どんなペースで飲むか」で、酔い方は大きく変わります。

ピノ・グリージョ 2024

約12.5%。食事に寄り添う、軽やかな辛口白。

ピノ・グリージョ 2024

Tenuta Grimani

¥3,700
ファリナルド・ソアヴェ 2024

約12.5%。やわらかい口当たりのヴェネトの白。

ファリナルド・ソアヴェ 2024

Tenuta Grimani

¥3,700
モレッリーノ・ディ・スカンサーノ 2023

約13.5%。普段の食卓にちょうどよいサンジョヴェーゼ。

モレッリーノ・ディ・スカンサーノ 2023

Terenzi

¥3,850
ドッピオ・パッソ・モスカート 2024

約7%。甘くて軽い、お酒が苦手な方にも。

ドッピオ・パッソ・モスカート 2024

Doppio Passo

¥2,200
プロセッコ・ロゼ・ミレジマート 2024

約11%。華やかな泡で食前から。

プロセッコ・ロゼ・ミレジマート 2024

Bosco del Merlo

¥3,700

フェデリーコが度数で選ぶなら

最初の一杯や、あまり強いお酒が得意でない方に、私がよくお出しするのはモスカート・ダスティです。約5.5%とビールほどの軽さで、やさしい甘さと細やかな泡があり、食前にも食後の果物やお菓子にもよく合います。「ワインは強そうで苦手」とおっしゃっていた方が、これで一気にワインを好きになってくださることが、東京の食卓で何度もありました。

私の故郷ミラノでは、仕事帰りに軽く一杯という「アペリティーボ」の習慣が根づいていて、夕方に選ぶのはたいてい度数の低い泡やさっぱりした白です。しっかり食事をする前の時間を、軽いお酒でくつろいで過ごすという発想で、ここでも「低めの度数」が活躍します。日本の家飲みでも、夕食前の一杯はモスカートやプロセッコ、食事とともに白や赤、という流れにすると、一晩を通して飲みすぎずに楽しめます。

そこから少しずつ、辛口の泡(プロセッコ)、軽い白(ピノ・グリージョ)、普段の赤(モレッリーノ)、そして夜にゆっくり味わう一本(プリミティーヴォ)へと、度数の階段をのぼっていくのがおすすめです。無理に強い赤から始める必要はありません。下のカードから、今日の気分に合う一本を選んでみてください。

よくある質問

Q. ワインでいちばん度数が低いのはどれですか?
A. 一般的には約5%前後のモスカート・ダスティなどの甘口微発泡です。さらに軽いものを探すなら、近年は「微アルコール(0.5〜1%)」や「ノンアルコール(0.00〜0.5%)」のワインも増えており、妊娠中や運転前はこちらが安心です。

Q. 度数が高いワインほど酔いやすいですか?
A. 酔いは「度数×飲んだ量」で決まります。14%のワインをグラス1杯にとどめれば、11%を3杯飲むより摂取するアルコールは少なくなります。度数が高い一本は、量を抑えてゆっくり味わうのがコツです。

Q. ワインの度数とカロリーは関係ありますか?
A. 関係します。アルコールは1グラムあたり約7kcalなので、度数が高いワインほどカロリーも上がりやすい傾向があります。カロリーを抑えたい日は、度数の低い辛口や泡を選ぶと目安になります。

Q. 開けたあとやデカンタすると度数は下がりますか?
A. ほとんど変わりません。空気に触れて香りは開きますが、アルコールが目に見えて飛ぶのはごく一部です。度数を下げたいときは、量を減らすか水をはさむのが現実的です。

Q. 冷やすと度数は変わりますか?
A. 数字は変わりません。ただし冷やすとアルコールの刺激を感じにくくなるので、高めの赤でも口当たりが軽く感じられます。提供温度は「味わい」を変える調整だと考えてください。

Q. 料理に合わせるとき度数は気にすべきですか?
A. はい、軽い前菜や揚げ物には低〜中程度(約11〜12%)の泡や白、こってりした肉料理には13〜14%の赤が合わせやすいです。濃い料理に軽すぎるワインだと、味が負けてしまいます。

度数は、強さの指標であると同時に「そのワインの個性」を映す数字でもあります。数字に身構えず、シーンに合わせて選べば、ワインはもっと気軽な一杯になります。気になる一本があれば、ぜひ気軽にお試しください。

参考:Consorzio Asti DOCG、Wikipedia「Moscato d'Asti」(メトド・マルティノッティと度数)、Consorzio Tutela Vini Valpolicella / wine.com Amarone Guide(アパッシメントと度数、vino da meditazione)、Primitivo di Manduria Dolce Naturale DOCG 生産規定(AIS Italia)。各ワインの正確なアルコール度数はボトルのalc.表記をご確認ください。

モスカート・ダスティ 2024

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